冬に運動

年末に向けてイベントと共に、体重も増え始めてしまう・・・。』と気にされる方もいらっしゃると思います。寒くて運動するには億劫に感じるかもしれませんが、実は、冬は運動を始めるには良い時期かもしれません。体温を維持するために基礎代謝(じっとしていても消費するカロリーの量)が上がりますし、その環境下で運動(ジョギングなどの有酸素運動や筋力トレーニング)を行うことでよりカロリーを消費できると考えられているためです。
しかし、過度の運動は免疫を下げてしまう可能性があるため、体調管理には気をつけなければなりません。2011年人文科学論集に掲載された論文によると、ランナーがマラソンなどのレース後に上気道感染(風邪)にかかる率は、レースに参加しなかったランナー(トレーニングは同じようにしている)に比べ6倍も高かったことを示したそうです。一方で、定期的に適度な運動(ジョッギング、ウォーキングなど)を行っている高齢者の上気道感染の割合は21%以下で、同年代の感染率である50%を大きく下回っているという報告もあります。

なぜ運動によって風邪を引きやすくなったり、引きにくくなったりするかは現在のところ解明されていないそうですが、有力な説としては免疫細胞のターンオーバー(免疫細胞は数時間から数週間で死ぬため、常に新しい細胞に入れ替わっている)が、運動によって早められる」(鈴木正敏2011)というものです。運動強度が適度で回復期間が十分であれば、新鮮な(機能の高い)免疫細胞が増え風邪を引きにくい体になり、運動強度が過度で回復期間が不十分であれば、未成熟(機能の低い)な免疫細胞となるため風邪を引きやすい体となってしまうそうです。

運動はニコニコしながらでも続けられる強度で、週2〜3回のペースで、休養を十分にとって行えば、高い免疫機能が得ることに繋がります。また、消費するカロリーを増やすことができるため、体重の増加を防ぐまたは、減少が期待されます。年末のイベントによる体重への不安が、少しでも軽くなってくれれば幸いです。

蛭田 啓介 ATC, CES, SSS, 日本災害医学会BHELPプロバイダー